ストッキング製造の中野産業株式会社が、なぜ農業を始めることになったのか?

私は5年前に会社を引き継ぐために中野産業に入社いたしました。

中野産業はストッキング・タイツ等製品の製造メーカーになります。そのストッキングの使用目的は、足を綺麗に見せるためのファッション性の高い衣料品になります。しかし、その主な原料はナイロンになり着用終了後には廃棄されることとなり、残念ながらそれらは土にかえりません。そのため、私はこの会社を持続可能な社会に対してできることは何かを考えて「エコな工場・会社を目指す」ことといたしました。

まずは、設備のボイラーやコンプレッサーを最新のものに入れ替え、工場内の電灯もL E Dライトに交換することで、大幅なエネルギー削減をおこなってきました。同時に自社で使用する電力を実質全て自然由来の電力にするために、自社工場屋根及び所有地への太陽光発電設備を導入し、購入電力を自然由来の再生可能エネルギーと致しました。そして、所有地の活用として、農業と太陽光発電事業を両立する「ソーラーシェアリング」が、きっかけとなりました。

 

中野産業株式会社から生まれた、直営農場「もぐもぐファーム」

1980年代に貝塚の本社工場移転計画がありました。しかしバブルの崩壊の影響もあり計画が頓挫して、そのまま有休地として和歌山の土地や、本社工場近くに中野産業の所有していた有休地の活用から始まりました。

当社、社員は農業などできるのか?と疑問も持っていたようですが、技術取得をするために、社員とともに農業の勉強に通うことから始めました。その中で、売りやすい、育てやすさから、生産には、シャインマスカットと原木椎茸2種に絞りました。ストッキング製造業と農業の兼業になるため、工場と農場のいわゆる兼業工場があってもいいんじゃないかと考えて取り組みを進めています。

このような性質の異なる2つの事業を組み合わせた、ソーラーシェアリングをはじめてみて分かったことは、地元でも増え続ける耕作放棄地を次世代に向けて、何か有効活用することができたら良いなという思いも強くなりました。

貝塚農場シャインマスカットのぶどう棚

貝塚農場、シャインマスカット栽培棚の建設には、名門ワイヤーロープ製造メーカーのワイヤーや使用させていただくなど地元企業の協力も得て建設いたしました。ぶどう棚は、通常より高い180cmに設計することで、作業しやすさを考慮しました。また、地面には防草シートを貼ることで、見学の子供達のため虫除けや草で傷を防ぐための配慮を行っています。

貝塚農場は、試行錯誤しながら2年経過いたしました。いよいよ3年目の2022年秋には初収穫ができる予定になります。そして、今後、もぐもぐファームでは、農業体験の一環として、子供たちに見学や収穫体験会などを積極的に実施したいと、今から楽しみにしております。